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JPIC読書アドバイザー児玉ひろ美の雑記帖

文芸

☆いわくありの小さな歴史 藤堂志津子『若くない日々』

だれしも4、50年も人間をやっていると、それぞれの「いわくありの小さな歴史」がしぜんとからみついてくるは著者藤堂志津子さんのあとがき。言い得て妙。それなりに、それぞれの、いわくあり。誰かに話してしまいたいこと。忘れてしまいたいこと。そっとしまっておきたいこと。しまっておかねばならないこと。全てが私たちのマテリアルです。

若くない日々
若くない日々
posted with 簡単リンクくん at 2007. 3.18
藤堂 志津子著
幻冬舎 (2007.2)
通常24時間以内に発送します。


暫く忘れていた女性をテーマにしたブックトークを再会しようと思います。盛んに実践していたころから10年が過ぎ、知識としてしか知らなかったことを体験したり実感したりもしています。成長したのか老いたのか…!?

☆yomyom Vol.2 特集に石井桃子先生

表紙だけでコレクションしたくなる可愛さですが、内容は盛りだくさんのかなりのお得感(笑)特に今回は「石井桃子先生の百年」もあり…詳細はクリックして目次をどうぞ。
yomyom Vol.2

新潮社 (2007.2)
通常24時間以内に発送します。


Vol.はこんな感じでした。季刊なので丁度良いボリュームで程良く、トレンドの書き手の作品が楽しめました。残念ながら某図書館にはないので興味のある方お貸しします。
yomyom Vol.1
重松清他
新潮社 (2006.12.7)
通常24時間以内に発送します。

☆劣等感とプライドと自意識と…「私のスフレ」林真理子

エッセイに限らず、最初の1行でぐっと抱き寄せられたような気分になる作品ってあります。共感とともに長い間自分のなかで言葉として整理できないまましまい込んでいた思いや感情をさらっと一行に置き換えられて「あっ…」と思う瞬間です。(些細なことが多いのですが)。私の場合、林真理子さんに「あっ…」が多く、なにがそうさせるのか?ずっと不思議に思っていましたが、私も彼女と同じ劣等感とプライドと自意識、この3つのキーワードで10代の毎日が縁取られ、苦しかったのです。そのうえ、未だに私はこの3つから解放されないまま!一番悪い年の重ね方ですね(笑)
 「林さんが作家になる思いが孵化するを前のことを書いてください」と言われ綴ったので「私のスフレ」というタイトルになったそうですが、収録されている小学校から高校までの文章を読んで驚いたのは既に高校生の段階で「林真理子の文体」が充分にできあがっていること。徒者ではありません!特に高校3年生の時の「わたしの好きな人たち」という歴史上の人物に思いをよせた文章は読んでいる間に書かれた年齢を忘れるほどの面白さ。世間では林真理子=女性誌の連載小説というイメージが強いのですが、どちらかというと私は彼女の歴史小説が好きです。彼女のその才能は10代にして既に際だっていたのですね。

私のスフレ
  • 著:林真理子
  • 出版社:マガジンハウス
  • 定価:1260円
livedoor BOOKS
書誌データ / 書評を書く



あまり知られていない児童文学作品ですが子ども図書室の人気者です
ドレスがいっぱい
林 真理子作 / 上田 三根子絵
小学館 (2004.12)
通常2-3日以内に発送します。


一番好きな作品
白蓮れんれん
白蓮れんれん
posted with 簡単リンクくん at 2007. 2.23
林 真理子著
集英社 (2005.9)
通常2-3日以内に発送します。


女文士
女文士
posted with 簡単リンクくん at 2007. 2.23
林 真理子著
新潮社 (1998.11)
通常2-3日以内に発送します。


ご自身のお母様のことを綴った作品。テレビドラマになりました。主演(お母さん役)は菊川玲さんでした。
本を読む女
本を読む女
posted with 簡単リンクくん at 2007. 2.23
林 真理子著
新潮社 (1993.2)
通常2-3日以内に発送します。

☆マガジンハウスのPR誌『ウフ.』

各出版社のPR雑誌を愛読しています。特に新潮社の「波」は高校生の頃から好きで(読者歴25年…!)授業中に読み、通学電車で読み、湯船で読み、という具合に廉価・ハンディ・月刊誌だからこそ可能な乱読&読み捨て雑誌にしてとことん読んでいました。(気に入った特集だけは今も何冊か持っています。)何しろ出版社の宣伝窓口なのですから最新の情報は勿論、トレンドな部分がギュウッと詰まっているのです。その出版社の取り扱う本のカラーも強く出たラインナップは本当に面白いこと間違いなし。書き下ろしが完了した後、単行本になったりもします。作家も読者を意識してかエッセイ一つとっても気合いが違う…というのが今までの私の固定概念でした。ところが、そう、この『ウフ.』はなんだか違う。全く、力みや変な緊張が無く、程良いユルユル感が漂っているのはマガジンハウスのカラーなのでしょう。手触りまでも柔らかいのです。今月の表紙の宮崎あおいちゃんのオーラかもしれません。定価一部250円ですが一ヶ月購読予約すると送料込み2000円とお得です。


  • 出版社:マガジンハウス
  • 定価:250円(税込み)
ウフ.2007年2月号
livedoor BOOKSで購入
書評データ

☆嬉しさと悲しみのバランス 「死顔」吉村昭

いつも嬉しい分だけ後から悲しみがくる…という松任谷由美さんの詩に若い頃は恋愛だけをなぞらえていましたが、最近はどうも違う。今日も岸田今日子さんの訃報に彼女の独特の語りを楽しんだ代償としての喪失感を感じてしまいます。吉村昭氏の作品と出会ったのは大学2年生の時、「破船」でした。村上龍や池田満寿夫、中沢けいの洗礼を受けた私は職人の手仕事のような緻密で正確な文章に惹かれ、息を詰めて読んだ気がします。その後、氏が歴史小説を書く際には子どもを対象に書かれた歴史書や伝記を想像や作家の私見を許さない資料として読み尽くすと知り、子どもの本に関わる職業の者としてとても嬉しかったのを覚えています。この夏もそんな記憶のその分だけ確実に訃報は私に寂しさをもたらしました。それ故に最後の作品は一気に読み上げた後、なかなかここに記することができずにいました。長くは生きられないかもといわれ続けた少年時代を過ごした湯治場の出来事。その費用をまかなって彼を庇護した兄の一人の死。その死を客観的に、事実を積み重ねるかように記述した二つの作品。兄を見送る気持ちがそのまま自分の死出の旅支度であったのでしょう。兄弟は楽しい思い出もたくさんくれたけれど、いずれは誰かが見送る立場になりますね。延命を拒否した最後を述した津村節子氏(妻)の文章を読んだ時、モノトーンの本なのに淡い朱鷺色をが添えられたような、そんな気がしました。


  • 著:吉村 昭
  • 出版社:新潮社
  • 定価:1365円(税込み)
死顔
livedoor BOOKSで購入
書評データ
  

破船
破船
posted with 簡単リンクくん at 2006.12.21
吉村 昭著
新潮社 (1985.3)
通常2-3日以内に発送します。
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